バックロニム。
バックロニム(Backronym)とは、先に語や名前があり、あとから各文字に合う言葉を当てはめて作られた、逆向きの頭字語のことです。
ふつうの頭字語(アクロニム)は、語句の頭文字を並べて短い語を作ります。NASAやレーザー(laser)がその例です。バックロニムは順序が反対で、意味のない語やすでにある名前を出発点に、「この文字はきっとこの単語の頭文字だろう」と後付けで説明を組み立てます。backward(後ろ向き)とacronym(頭字語)を掛け合わせた造語です。
初出は、新聞の造語コンテスト
語そのものの登場は1983年11月8日、ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ボブ・リービー氏が催していた造語コンテストの回とされます。応募したメレディス・G・ウィリアムズ氏による「bacronym」の説明は簡潔で、「アクロニムと同じ。ただし単語のほうが文字に合わせて選ばれている」というものでした。のちに綴りは backronym に落ち着き、辞書にも収録されています。
後付けは、だいたい事実ではない
バックロニムの多くは由来の説明として誤りです。Wi-Fiに後付けされた「Wireless Fidelity」は代表例で、名付けを主導した本人が「意味はない」と明言しています。意味のない名前は落ち着きが悪いため、人はつい穴を埋めてしまう。バックロニムは、その埋め跡だと考えると分かりやすいと思います。
補足:初出(1983年のコンテスト)は複数の語源解説に共通して見られる説明に基づく。綴りは初期に bacronym / backronym が併存した。