メタ道具使用。
メタ道具使用とは、道具を「別の道具を手に入れるため」に使うことです。餌などの報酬を直接取りにいくのではなく、いったん道具を取るために道具を使う——道具の入れ子。目先の一手ではなく、その先を見た行動とされます。
ただの道具使用(棒で餌を引き寄せる、など)は多くの動物に見られますが、メタ道具使用はもう一段複雑です。たとえば「短い棒では餌に届かない。だが短い棒なら、離れた場所にある石は取れる。その石を仕掛けに入れれば、長い棒が出てくる。長い棒なら餌に届く」——という具合に、道具を段階的に乗り継ぐ必要があります。手元の道具が目的そのものではなく、次の手段への足がかりになっている点がポイントです。
知られている例
代表例はニューカレドニアガラスです。研究では、複数の仕掛けを正しい順番でたどらないと餌にたどり着けない多段パズルを、初見に近い状態で解いてみせた個体が報告されています。こうした行動は、単なる試行錯誤だけでは説明しにくく、手順をある程度見通して組み立てている可能性を示すとされ、動物の高度な問題解決を測る指標のひとつになっています。
補足:観察された行動をどこまで「計画」と解釈できるかは慎重な議論があり、試行錯誤や学習の寄与を含め評価は一様ではない。詳細は各研究の原典での確認を推奨する。