用語辞典 — ツギノテ。FUNGLOSSARY

しゃべくり漫才

しゃべくり漫才とは、衣装も小道具も使わず、途中で役に入ることもせず、二人の掛け合いだけで進める漫才の型のことです。ひとことで言えば、立ち話で笑わせる漫才です。

題材は日常の雑談や身の回りの出来事、時事などが中心。演者はセンターマイクの前から動かず、話の運びと言葉のずれだけで笑いを作ります。創始は昭和初期の横山エンタツ・花菱アチャコとされ、1980年代の漫才ブーム以降は漫才の正統派と位置づけられることが多い型です。

対になるのは「コント漫才」

もう一方の型がコント漫才です。「お前、コンビニの店員やって」のように会話の途中から役柄に入り、場面を演じます(役に入る合図を業界の符牒で「コントイン」と呼ぶとされます)。衣装や効果音を使わず立ち位置も変えないという点でコントそのものとは区別されますが、センターマイクから離れることが多いため、しゃべくり漫才を王道とする見方からは邪道と評されることもあります。

境界は、実はゆるい

とはいえ定義は厳密ではありません。ナイツの塙宣之は、きっちり定義するのは難しいとしたうえで「あえて言うならば、しゃべくり漫才とは日常会話だと思います」と述べています。一本のネタの中に両方の要素が混ざることも珍しくなく、どちらの型かは見る側の解釈に委ねられる場面があります。

補足:型の分類名は業界と評論の慣用で、公的な規格のような定めはない。M-1グランプリの参加規定にも型の指定はなく、審査基準は「とにかくおもしろい漫才」とされている(M-1グランプリ公式サイト「エントリー情報」)。出典:Wikipedia「漫才」ほか漫才の型に関する解説、塙宣之の発言を引く記述。