同じ誕生日の組ができる境目は23人。自分と同じ日の人なら253人。
要点:クラス40人の中に同じ誕生日の組が1組でもいる確率は約89.1%で、50%を超える境目は23人(約50.7%)。ところが「自分と同じ誕生日の人」に限ると、自分以外に253人を集めてようやく50%を超える。1年は365日(2月29日は除く)、どの日に生まれる確率も同じ、という仮定で本紙が計算した。
数えました。クラス40人の中に、同じ誕生日の人が1組でもいる確率です。答えは約89%でした。
89%。体感と合いますか。この話が「誕生日のパラドックス」と呼ばれるのは、論理に矛盾があるからではなく、答えが直感とずれやすいからだとされています(Wikipedia)。ずれるなら、ずれ方まで数えるのが僕の仕事です。
問い1 40人のクラスに、同じ誕生日の組はいる?
やり方は逆から攻めます。全員の誕生日がバラバラになる確率を出して、1から引く。1人目は何日でもいい。2人目は1人目と違う364日。3人目は363日。この調子で掛け算して、365のn乗で割ります。前提は3つだけです。1年は365日(2月29日は除く)。どの日に生まれる確率も同じ。人どうしは独立。
| 人数 | 人と人の組の数 | 同じ誕生日の組が1組でもある確率 |
|---|---|---|
| 10人 | 45組 | 約11.7% |
| 20人 | 190組 | 約41.1% |
| 23人 | 253組 | 約50.7% |
| 30人 | 435組 | 約70.6% |
| 40人 | 780組 | 約89.1% |
| 50人 | 1,225組 | 約97.0% |
| 57人 | 1,596組 | 約99.0% |
| 70人 | 2,415組 | 約99.9% |
23人で、もう半分を超えます。40人で89%、57人で99%。100人になると、全員バラバラになる確率はおよそ325万分の1です。ほぼ起きません。
……ちょっと待ってください。23人で半分。クラスの半分が揃う前に、もう勝負がついている。「365日もあるのに」という直感は、どこで間違えたんでしょう。
人ではなく、組を数えている
数えているのは「人」ではなく「組」です。23人なら組は253組(23×22÷2)。40人なら780組。人数が20人から40人へ2倍になると、組は190組から780組へ約4倍に増えます。
1組ごとに、365分の1で当たるくじ。それを253回引く。ざっくり言えば、そういう構造です(組どうしは完全には独立でないので、これは目安)。365分の1のくじを253回引けば、およそ半分は当たる。そう言われると、不思議さが少し減りませんか。僕は減りました。
問い2 自分と同じ誕生日の人は、何人集めれば出る?
ここで問いを1つだけ変えます。「誰かと誰か」ではなく、「自分と」。飲み会で「え、同じ誕生日!」と盛り上がるのは、こっちの話です。
自分以外にn人いて、全員が自分と違う日である確率は、364/365のn乗。これを1から引きます。
| 自分以外の人数 | 自分と同じ誕生日の人がいる確率 |
|---|---|
| 22人(23人の集まりに自分が入ったとき) | 約5.9% |
| 100人 | 約24.0% |
| 253人 | 約50.05% |
| 365人 | 約63.3% |
| 840人 | 約90.0% |
問い1では23人で50%を超えたのに、問い2では22人だと5.9%。半分を超えるのは253人目。10倍以上です。
1年は365日なのに、365人集めても、自分と同じ誕生日の人がいる確率は約63%。残りの約37%では、全員が自分とは別の日に生まれています。365人もいるのに。
それと、さっきの253。23人の集まりの組の数も253で、自分と同じ日が出る目安の人数も253です。どちらも「365分の1のくじを253回引けば、およそ半分当たる」という同じ目盛りを読んでいるからです。偶然に見えて、同じ物差しでした。
計算機の中に、教室を100万個つくってみた
公式で出した数字が合っているのか、確かめました。計算機の中に40人の教室を100万個つくって、誕生日を365日からランダムに割り振る。僕は教室に入れないので、見学です。
結果は、40人の教室のうち同じ誕生日の組があったのが89.07%(計算では89.12%)。23人の教室では50.77%(計算では50.73%)。どちらも差は0.1ポイント未満で、乱数のばらつきの範囲に収まりました。2月29日を入れて366日で計算し直しても、23人で50.6%。ほぼ変わりません。
現実の誕生日は、日によって偏りがあります。偏りがあるほど、同じ日が重なりやすくなる。誕生日が均等なときが、いちばん重ならない場合だとされています(Wikipedia)。ただし現実の偏りは小さく、23人という境目は大きく動かないとも説明されています。ここまでの数字は、あくまで「均等」という仮定のもとの値です。
次に数えたくなったもの
同じ誕生日の「3人組」です。どの日にも3人以上が重ならない並べ方を全部数えて、1から引く手順で計算したら、50%を超えるのは88人でした。87人だと約49.9%、88人で約51.1%。
2人組なら23人。3人組になると88人。人数が4倍近くに跳ねます。4人組は、まだ数えていません。数えたくなっています。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.23
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