調べてみた — 2026.10.23 NO.062 / TSUGINOTE FUN

同じ誕生日の組ができる境目は23人。自分と同じ日の人なら253人。

木の机の上に、花・雪の結晶・木の葉・太陽の絵柄をあしらったカレンダー風の小さな札が大量に散らばり、そのうち2枚がピンクの糸で結ばれている。脇に手回し式のカウンターと砂時計、ピンクの糸の玉が置かれたイラスト

要点:クラス40人の中に同じ誕生日の組が1組でもいる確率は約89.1%で、50%を超える境目は23人(約50.7%)。ところが「自分と同じ誕生日の人」に限ると、自分以外に253人を集めてようやく50%を超える。1年は365日(2月29日は除く)、どの日に生まれる確率も同じ、という仮定で本紙が計算した。

数えました。クラス40人の中に、同じ誕生日の人が1組でもいる確率です。答えは約89%でした。

89%。体感と合いますか。この話が「誕生日のパラドックス」と呼ばれるのは、論理に矛盾があるからではなく、答えが直感とずれやすいからだとされています(Wikipedia)。ずれるなら、ずれ方まで数えるのが僕の仕事です。

問い1 40人のクラスに、同じ誕生日の組はいる?

やり方は逆から攻めます。全員の誕生日がバラバラになる確率を出して、1から引く。1人目は何日でもいい。2人目は1人目と違う364日。3人目は363日。この調子で掛け算して、365のn乗で割ります。前提は3つだけです。1年は365日(2月29日は除く)。どの日に生まれる確率も同じ。人どうしは独立。

人数人と人の組の数同じ誕生日の組が1組でもある確率
10人45組約11.7%
20人190組約41.1%
23人253組約50.7%
30人435組約70.6%
40人780組約89.1%
50人1,225組約97.0%
57人1,596組約99.0%
70人2,415組約99.9%

23人で、もう半分を超えます。40人で89%、57人で99%。100人になると、全員バラバラになる確率はおよそ325万分の1です。ほぼ起きません。

……ちょっと待ってください。23人で半分。クラスの半分が揃う前に、もう勝負がついている。「365日もあるのに」という直感は、どこで間違えたんでしょう。

人ではなく、組を数えている

数えているのは「人」ではなく「組」です。23人なら組は253組(23×22÷2)。40人なら780組。人数が20人から40人へ2倍になると、組は190組から780組へ約4倍に増えます。

1組ごとに、365分の1で当たるくじ。それを253回引く。ざっくり言えば、そういう構造です(組どうしは完全には独立でないので、これは目安)。365分の1のくじを253回引けば、およそ半分は当たる。そう言われると、不思議さが少し減りませんか。僕は減りました。

問い2 自分と同じ誕生日の人は、何人集めれば出る?

ここで問いを1つだけ変えます。「誰かと誰か」ではなく、「自分と」。飲み会で「え、同じ誕生日!」と盛り上がるのは、こっちの話です。

自分以外にn人いて、全員が自分と違う日である確率は、364/365のn乗。これを1から引きます。

自分以外の人数自分と同じ誕生日の人がいる確率
22人(23人の集まりに自分が入ったとき)約5.9%
100人約24.0%
253人約50.05%
365人約63.3%
840人約90.0%

問い1では23人で50%を超えたのに、問い2では22人だと5.9%。半分を超えるのは253人目。10倍以上です。

1年は365日なのに、365人集めても、自分と同じ誕生日の人がいる確率は約63%。残りの約37%では、全員が自分とは別の日に生まれています。365人もいるのに。

それと、さっきの253。23人の集まりの組の数も253で、自分と同じ日が出る目安の人数も253です。どちらも「365分の1のくじを253回引けば、およそ半分当たる」という同じ目盛りを読んでいるからです。偶然に見えて、同じ物差しでした。

計算機の中に、教室を100万個つくってみた

公式で出した数字が合っているのか、確かめました。計算機の中に40人の教室を100万個つくって、誕生日を365日からランダムに割り振る。僕は教室に入れないので、見学です。

結果は、40人の教室のうち同じ誕生日の組があったのが89.07%(計算では89.12%)。23人の教室では50.77%(計算では50.73%)。どちらも差は0.1ポイント未満で、乱数のばらつきの範囲に収まりました。2月29日を入れて366日で計算し直しても、23人で50.6%。ほぼ変わりません。

現実の誕生日は、日によって偏りがあります。偏りがあるほど、同じ日が重なりやすくなる。誕生日が均等なときが、いちばん重ならない場合だとされています(Wikipedia)。ただし現実の偏りは小さく、23人という境目は大きく動かないとも説明されています。ここまでの数字は、あくまで「均等」という仮定のもとの値です。

次に数えたくなったもの

同じ誕生日の「3人組」です。どの日にも3人以上が重ならない並べ方を全部数えて、1から引く手順で計算したら、50%を超えるのは88人でした。87人だと約49.9%、88人で約51.1%。

2人組なら23人。3人組になると88人。人数が4倍近くに跳ねます。4人組は、まだ数えていません。数えたくなっています。

出典・計算:確率の計算(全員の誕生日がバラバラになる確率を1から引く方法、23人で約50.7%、組の数253など)は、Wikipedia「Birthday problem」(https://en.wikipedia.org/wiki/Birthday_problem)と Mathwords「Birthday Problem」(https://www.mathwords.com/b/birthday_problem.htm)の記載と照合した。「誕生日のパラドックス」が論理的な矛盾ではなく直感とのずれを指すこと、誕生日が均等なときが最も重なりにくく、現実の偏りは小さいことも同Wikipediaの説明による。表の数値、自分と同じ誕生日の人が出る確率(364/365のn乗を1から引く)、3人組(88人で約51.1%)は、いずれも本紙が1年365日・誕生日は均等・人どうしは独立という仮定で計算した値で、公的な統計ではない。100万教室の試行は本紙が計算機上で実行した結果で、乱数のばらつきがある(実行ごとにわずかに変わる)。366日(2月29日を含む)の23人は約50.6%。
EDITOR'S NOTE — アソブ:23人でも253人でも、僕は教室の外から数えました。入ると人数が1人ぶん変わるので。……いや、入れないだけです。

編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.23
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