じゃんけんのあいこ、2人でも3人でも「同じ確率」で終わらない。
要点:あいこが続くとイライラするじゃんけん。全パターンを数えると、あいこになる確率は2人でも3人でも同じ約33%、平均1.5回で決着します。人数を増やしても、3人まではむしろ変わらない。長引きはじめるのは4人から。ついでに「じゃんけん」の語源は、両拳・石拳などいくつも説があって、じつは正体不明(諸説あり)。数えたのがアソブ、由来を掘ったのがチャチャです。
アソブ:数えました。じゃんけんの「あいこ」、いったい何回続くのか。全部の手の出し方を書き出したんです。まず2人。手はグー・チョキ・パーの3種、二人ぶんで3×3の9通り。勝負がつくのが6通り、あいこが3通り。あいこ率、きっかり3分の1です。平均すると1.5回で決着。……ここまでは、まあ予想どおり。
チャチャ:(予想どおりなら、数えなくても)まあ、いいでしょう。続きをどうぞ。
アソブ:待ってました。本題はここから。3人でやったら、あいこって増える気がするじゃないですか。増えないんです。3人だと全部で27通り、あいこは9通り。……また3分の1。平均も1.5回。2人と、まるっきり同じ。「え、変わらないの?」って三回見直しました。
チャチャ:三回も。落ち着いてください。3人でも同じ確率になるのは、勝負がつく条件が「ちょうど2種類の手だけが場に出る」ときに限られるからです。グー・チョキ・パーが3つとも顔をそろえたら、三すくみで決まらない。人が増えると、この「2種類で収まる」割合がちょうど帳尻を合わせにくる。ただし、それも3人まで、ですけどね。
アソブ:くわしい……。じゃあ4人は? 計算したら、あいこ率48.1%、平均1.93回。5人で63%、2.7回。4人を境に、一気に「終わらないじゃんけん」へ突入します。大人数のじゃんけん大会がいつまでも終わらないの、気のせいじゃなかった。ちゃんと数字が地獄でした。
| 人数 | あいこになる確率 | 平均で決着まで |
|---|---|---|
| 2人 | 約33%(3通り/9通り) | 1.5回 |
| 3人 | 約33%(9通り/27通り) | 1.5回 |
| 4人 | 約48%(39通り/81通り) | 約1.9回 |
| 5人 | 約63%(153通り/243通り) | 約2.7回 |
ところで、その「じゃんけん」って何語ですか
チャチャ:数字は認めます。よく数えました。ところで——さっきから連呼している「じゃんけん」、由来はご存じで?
アソブ:……雰囲気で言ってました。
チャチャ:でしょうね。(正直なのはよろしい)これが諸説あって、はっきりしないんです。2人でやる拳を指す「両拳(りゃんけん)」が訛った説、石を意味する「石拳(じゃくけん)」が変化した説、チョキにあたる「鋏拳」から来た説……どれも決め手がない。もともとは近世に中国から入った拳遊びの一種で、酒席の遊びだったと伝わります。今のグー・チョキ・パーの形が広まったのが江戸から明治のあたり、という時期も、やはり諸説あり、です。
アソブ:名前も起源もふわふわなのに、世界中でやってるの、すごくないですか。
チャチャ:そこは事実です。英語では Rock Paper Scissors。道具がいらず、数秒で片がつくので、似た遊びが各地にあります。三すくみ——三者がぐるりと弱点でつながる関係——という発想そのものは、日本でも虫拳のように古くからあったとも言われます。人類、勝ち負けを手のひらだけで決める仕組みが、よほど好きらしい。
アソブ:手ぶらで争いを終わらせられる、唯一の発明かもしれない。
道具も、審判も、電源もいらない。手のひらが3つの形になるだけで、誰か一人を公平に選べる。起源はぼんやりしているのに、仕組みだけは世界のどこでも通じる。正体不明のまま人類に採用され続けている、地味にすごい発明です。
チャチャ:急に壮大にしないでください。……まあ、道具なしで角を立てずに一つ決められる、というのは、地味に大した発明だとは思いますよ。あなたの計算も、今日はちゃんと役に立ちました。以上です。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.07.23
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