用語辞典 — ツギノテ。FUNGLOSSARY

稟議

稟議(りんぎ)とは、担当者がつくった案を、関係者や上位者へ順番に回して承認をもらっていく、日本の組織で発達した意思決定の仕組みです。会議で一度に決めるのではなく、書面(稟議書)に関係者が順に押印して、合意を少しずつ積み上げていきます。

一人の決定者がその場で「やる/やらない」を宣言するのではなく、案を紙にして関係者の間を回す。読んだ人が同意の印を押し、次の人へ渡す。全員の印がそろって、はじめて話が通ったことになります。会議の招集や日程調整を省ける一方、承認が一巡するまで時間がかかりやすく、「誰が最終的に決めたのか」があいまいになりやすい、という指摘もあります。

紙の上に、序列が並ぶ

稟議書の確認欄は、多くの場合、地位の低い人から高い人へと横に並びます。つまり書類そのものが、組織の上下関係を一列に可視化した図になっている。ここに押印の作法が乗ると、単なる承認記録が「見られる場」に変わります。印を左に傾けて右隣の上司へ礼をするお辞儀ハンコのような慣習が生まれた背景の一つとして、この「並ぶ書面」の存在がしばしば挙げられます(起源は諸説あり)。

補足:稟議は日本的経営を語るときによく引かれる概念だが、運用の実態は組織ごとに幅がある。近年は電子稟議・ワークフローシステムへの置き換えが進んでいる。