用語辞典 — ツギノテ。FUNGLOSSARY

グルー

グルー(grue)とは、緑(green)と青(blue)を一つの言葉でまとめて表す色を指す、言語学の色彩研究での俗称です。二つの英単語を混ぜてつくられた造語で、緑と青を別々の色名に分けない言語を説明するときに使われます。

私たちは「緑と青は別の色」と当たり前に思っていますが、それは日本語(や英語)がその二つを分けて数えているからにすぎません。世界の言語を見わたすと、緑と青の境目に言葉を引かず、両方を一語で片づける言語はそれなりにあります。その「緑でも青でもある一語」を、研究者は便宜的に grue と呼びます。

日本語の「あお」が代表例

グルーの好例としてよく挙げられるのが、日本語の「あお」です。空も海も「青」、いっぽうで青葉・青りんご・青菜・青信号のように、緑のものまで平気で「青」が受け持ちます。古い日本語で、語尾に「い」をつけて形容詞になれる色は赤・黒・白・青の四語だけで、この「青」が青から緑までを広く担当していた名残だとされています。緑という色名が独立して定着したのは、ずっと後のことです。

補足:色の切り分けは言語ごとに異なり、緑と青を分ける言語とグルー型の言語のどちらが「正しい」わけでもない。色域や語源の細部、grueという呼称の由来には諸説がある。