用語辞典 — ツギノテ。FUNGLOSSARY

民間語源

民間語源(folk etymology・民衆語源)とは、言葉の本当の由来とは別に、後からもっともらしく語られる語源のことです。音や字面の似た別の語と結びつけて説明されることが多く、覚えやすいぶん、よく広まります。

語源の話は、なぜか「格好いい説」ほど耳に残ります。異国の言葉が起源だとか、古代の由緒があるとか、物語性のある説明は伝わりやすい。ところが、伝わりやすさと正しさは別ものです。もっともらしい説には、たいてい文書などの裏づけが欠けていて、たどっていくと「そう聞いた」の連鎖にぶつかって止まります。

「OK」を例に

世界でいちばん通じる言葉「OK」の語源にも、ギリシャ語の olla kalla 説、北米先住民チョクトー語の okeh 説、フランス語の au quai 説などが名乗りを上げてきました。どれも印象的ですが、記録上たどれる初出は1839年ボストンの新聞で、all correct をわざと綴り間違えた oll korrect の略でした。派手な説の多くは、後から貼りついた民間語源だったわけです。

補足:民間語源のすべてが誤りとは限らず、似た音の語が実際に影響した例もある。語源は定説・有力説・俗説を分け、確定できないものは「諸説あり」と扱うのが安全。