用語辞典 — ツギノテ。FUNGLOSSARY

アポフェニア

アポフェニア(apophenia)とは、本来は無関係な物事のあいだに、意味のあるつながりやパターンを見出してしまう心理傾向のことです。ドイツの精神科医クラウス・コンラートが1958年に提唱した語とされています。

人間の脳は、ばらばらの情報のなかから規則性を探し当てるのが得意です。その働きは生き延びるうえで役に立ってきましたが、ときに行きすぎて、「たまたま」を「必ずそうなる意味」と受け取ってしまう。この過剰なパターン検出が、アポフェニアと呼ばれます。

身近な例

壁のしみや雲が人の顔に見える現象(パレイドリア)は、視覚版のアポフェニアの一種とされます。ほかにも、たまたま続いた偶然を「運命」と感じたり、数字の一致に特別な意味を読み込んだりするのも、この傾向の表れです。悪いものではなく、比喩や物語、発見のひらめきの源にもなります。

雑学とのつながり

語源や由来の「俗説」が生まれる土壌でもあります。数がきれいに合ったり、言葉が似ていたりすると、人はそこに因果を見つけたくなる。トランプの枚数を暦に重ねる話のように、事実が先にあって意味が後から貼られる——そんな後付けの説明の多くに、この心の癖が関わっています。

補足:アポフェニアは日常的な認知の傾向を指す語で、必ずしも異常を意味しない。定義や関連概念(パレイドリアなど)の線引きには諸説がある。