アンフォラ。
アンフォラ(amphora)とは、古代の地中海世界で広く使われた、両手(把手)の付いた細長い素焼きの壺。ワインやオリーブ油、穀物などを保存・運搬するための容器で、その一杯分は取引で量を数える単位としても使われました。
語の由来はギリシャ語で「両側から運ぶ(両手で提げる)」といった意味にさかのぼるとされます。下がすぼまった形は、船倉や地面に立てかけて安定させるのに都合がよく、地中海交易の主役として大量に作られました。中身を消費したあとの壺が積み重なってできた丘が、いまも遺跡として残っているほどです。
「@」との関係
イタリアの学者ジョルジョ・スタビレが2000年に紹介した史料に、1536年、フィレンツェの商人フランチェスコ・ラピが書いた手紙があります。そこでは、アンフォラという量の単位を表す略号として @ が使われていました。メールでおなじみの記号が、じつは商いの容器を指していた——という話の出どころが、このアンフォラです。
補足:@ の起源には複数の説があり、アンフォラ説もそのうちの一つ。年代・解釈の細部は一次情報での確認を推奨する。